多くのレシピに登場する「サラダ油」は、
スーパーマーケットで容易に手に入るため、
詳細を知らずとも頻繁に使用されがちです。
さらに、キャノーラ油が
「健康的である」「ヘルシーである」とよく言われますが、
これがサラダ油とどのように異なるのか疑問に
思う方も少なくありません。
この記事では、そのような疑問に答える形で、
サラダ油とキャノーラ油の違いに焦点を当ててご説明します!
キャノーラ油とサラダ油の違いとは!
キャノーラ油とサラダ油は、
両方とも料理で頻繁に使用される油で、
その滑らかな質感と無味無臭の特性が、
特に揚げ物を始めとする多くの料理法に適しています。
違いは!
これらは大容量のボトルで販売され、
価格も手ごろであるため、家庭での利用に便利です。
これらの油は一見似ているように見えますが、
何が違うのでしょうか?
この疑問に対して詳しく探っていきましょう。
キャノーラ油
キャノーラ油について話すと、これはキャノーラと呼ばれる植物から抽出された油を指します。
キャノーラは、アブラナ科の植物であり、
通常なたね油の生産に用いられる種をカナダで改良して
作り出されたものです。
そのため、キャノーラ油は実質的にはなたね油の
変種と考えられます。
なぜ区別するのか?
では、キャノーラ油をなたね油と別個に
扱う理由は何でしょうか?実際に、
キャノーラ油は伝統的な菜種油とは異なる
独自の特性を持っています。
キャノーラ油と通常のなたね油との間の顕著な差異は、
「エルカ酸」と「グルコシノレート」と呼ばれる
成分の存在に関連しています。
普通のなたね油にはこれらの成分が含まれており、
過剰摂取すると健康上のリスクが生じる可能性があります。
実験によって示された
エルカ酸は、過剰に摂取すると心臓病を引き起こす
可能性があるとの研究結果があり、
世界保健機関(WHO)からも公式に警告されています。
同様に、グルコシノレートは動物の甲状腺機能に
悪影響を及ぼすことで知られ、避けられています。
この問題に対処するため、
カナダではこれらの成分を大幅に低減させた新種の
アブラナ、キャノーラ品種を開発しました。
キャノーラという名前は、「カナダ(CANADA)」と
低酸(low acid)を意味する「Ola」を
合わせた言葉から来ています。
キャノーラ油はコレステロールを下げてくれる?
キャノーラ油が身体に悪影響を及ぼす可能性のある
成分を低減させるという利点のほかに、
オレイン酸やビタミンEがなたね油に比べて
豊富に含まれているという点も、
この油の健康面での魅力を高めています。
オレイン酸は、オリーブオイルにも多量に含まれる成分で、
その抗酸化性により血液中の
LDLコレステロール(いわゆる「悪玉コレステロール」)を
減少させる効果があるとされています。
ヘルシー油!
増加したLDLコレステロール、
一般に悪玉コレステロールと呼ばれるものが、
血の流れを悪化させ、動脈硬化や心臓疾患を引き起こす
原因となると広く認識されています。
オレイン酸の役割は、このリスク要因を減少させ、
血管の健康を維持する一方で、
HDLコレステロール(善玉コレステロール)のレベルを
維持することにあります。
また、抗酸化性が高く、豊富に含まれるビタミンEは、
油自体の酸化はもちろん、体内での酸化反応を抑制することで、
全体の健康維持に寄与します。
これらの特性により、キャノーラ油が「健康に良い」とされ、
ヘルシーな選択肢として推奨される理由があります。
デメリットはある?
キャノーラ油がなたね油よりも健康に
有益であるとされているものの、
油としての本質に変わりはないという点は重要です。
使用する際には、
油の一般的なデメリットにも留意することが必要です。
サラダ油とキャノーラ油は、いずれも精製された油であり、
精製油に関連する健康上の懸念事項には、
特に高カロリーであることやトランス脂肪酸の存在が挙げられます。
注意が必要な成分!
トランス脂肪酸は、油を高温で加熱する過程で
避けられなく生成されるものであり、
加熱による精製過程を経た油には特に多く見られます。
高温調理の方法、例えば天ぷらや炒め物をする際には、
トランス脂肪酸の生成量が大幅に増加することがあります。
このトランス脂肪酸は、過剰に摂取することで
心疾患を引き起こす可能性があるとされており、
その健康への悪影響は、
世界保健機関(WHO)でも一日の摂取量を
全摂取カロリーの1%以下に抑えるよう推奨しているほどです。
実際には、コレステロールに匹敵する、
もしくはそれ以上に注意が必要な成分と言えます。
オレイン酸を多く含む油
■菜種油
この油は酸化しにくく、高温に強いため、揚げ料理に最適です。
■キャノーラ油
加熱しても変質しにくく、さまざまな料理に使用できる万能油ですが、トランス脂肪酸を含むため、摂取量には注意が必要です。
■オリーブオイル
黄緑色をしており、フルーティな風味が特徴で、イタリア料理には不可欠です。特に「エキストラバージンオリーブオイル」は、サラダやパスタに加えることで、料理を一層引き立てます。
■アボカドオイル
パン、ヨーグルト、サラダにかけることで、素材の味をシンプルに引き出すのに適しています。
■アルガンオイル
ナッツのような繊細な香りがあり、肌に浸透しやすいため、主に美容オイルとして使用されます。その美容効果の高さから「モロッコの黄金」とも称されています。
サラダ油
実際には、
サラダ油は日本特有の表現であると言えます。
この「サラダ」という名称は、オリーブオイルやごま油、
なたね油のように原材料を指す名前のように聞こえますが、
明らかに生の野菜サラダから
抽出された油ではないことは言うまでもありません。
実のところ、
サラダ油はもとを正せばブランド名でした。
初登場は?
「日清サラダ油」という商品名で市場に登場したのが、
生野菜のドレッシング用に特化した初めてのサラダ油でした。
これは日清オイリオによって販売されました。
この場合の「サラダ」という言葉は、
「サラダに適した、かける用途の油」という
意味合いを持っています。
それ以前に日本で一般的だった油は、
天ぷらや炒め物などの加熱調理向けに作られており、
生の野菜に使用するには精製度が不十分で、
冷えると固まることがあり、また風味に雑味があって
生野菜のドレッシングとしては適していないとされていました。
加熱でもそのままでも!
サラダ油の導入がその解決策となりました。
従来の油に含まれていた蝋質成分が精製過程で
除去されることで、サラダ油は0度であっても
白濁することなく、透明で流動性の高い状態を保つことができます。
この特性により、加熱調理から冷たい料理まで、
どんな用途にも適応する汎用性の高さがサラダ油の大きな魅力です。
サラダ油の原料
サラダ油は、具体的な原料名を指すわけではなく、
むしろその用途サラダに適する油に由来する名称です。
様々な植物油がサラダ油として認められているのは、
JAS規格によって定められた一定の基準を満たしているためです。
市場に出回っているサラダ油の原材料には、
例えば菜種、綿実、大豆、胡麻、トウモロコシ、
サフラワー、米などがあります。
これにより、サラダ油と一口に言っても、
使用される原材料によって栄養価や特性が異なることになります。
一種類だけではない!
サラダ油には、単一の原材料から製造されたものだけでなく、
二つ以上の異なる原材料を組み合わせて、
それぞれの油の長所を取り入れた製品も存在します。
このタイプの油は「混合サラダ油」と称されています。
サラダ油を選ぶ際には、使用されている原料に注目し、
製品パッケージの裏面に記載された情報を
確認することを推奨します。
リノール酸を多く含む油
リノール酸にはコレステロールを下げる効果があるとされています。
■サラダ油
サラダ油は、菜種油、大豆油、コーン油、ひまわり油、ごま油、紅花油、綿実油、米油、ぶどう油といった様々な油を包括する名称です。これらの油は低温でも固まらないように精製され、JAS基準に適合したものだけがサラダ油として販売されます。
■ごま油
琥珀色で独特な香ばしいごまの香りを持つごま油は、中華料理や韓国料理に不可欠です。特に100%ごま油の「純正ごま油」は、その豊かな香りと高級感のある味わいが特徴です。
■ぶどう油(グレープシードオイル)
この油は臭みが少なく、さらりとした質感があり、食材の味を活かす料理に適しています。また、含まれるビタミンEには抗酸化作用があり、体内の脂質を酸化から守る効果があります。
キャノーラ油とサラダ油のカロリーの違い!
キャノーラ油とサラダ油のカロリーは同じで、
1グラムあたり9キロカロリーになります。
これは大さじ1杯(14グラム)で126キロカロリーに相当し、
これはご飯半分の茶碗と同じカロリー量です。
ドレッシングや炒め物にこれらの油を多用すると、
容易にカロリー摂取量が増加してしまいますので、
使用量には注意が必要です。
まとめ
最終的に、
どちらがより良い選択かと思われるかもしれませんが、
トランス脂肪酸の問題を考慮すると、
実際には健康に対する大きな違いはありません。
風味や使いやすさに基づいて好みのものを選ぶことができます。
どちらの油も、過剰な使用を避け、
賢く取り扱うことが重要です!
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