最近、「サ道」や「ととのう」の影響でサウナが人気を集め、
多くの人がサウナを楽しんでいます。
しかし、サウナが健康に良いのか悪いのか
疑問に思っている人も少なくありません。
サウナを利用することは、
高い温度と冷たい水風呂を交互に使用することで、
スポーツで言うマラソンに似た体験を提供します。
サウナの利点と潜在的なリスクをしっかりと理解することは、
安全にサウナを楽しむための重要なステップです。
サウナは体に悪い?デメリットは!
サウナが健康に良いとされていますが、
それが全員に当てはまるわけではないのです。
サウナの利用は、いくつかのリスクが伴います。
例えば、サウナによって引き起こされる可能性がある脱水症状や、
湯あたり、さらには血圧の変動には特に注意が必要です。
サウナ後の水風呂が引き起こす血圧の急激な変動も見逃せません。
脳梗塞や心筋梗塞のリスク
サウナ利用後に、
一部の人が脳梗塞や心筋梗塞に見舞われることがあります。
サウナの利点として挙げられる発汗作用は、
実際には血液中の水分が減少し、
血液が濃くなりやすい状態を引き起こします。
これは血液が凝固しやすくなり、結果的に血栓が形成され、
血管が塞がる原因となることがあり、
これが脳梗塞や心筋梗塞の発生につながる場合があります。
熱中症が起きる可能性が!
温泉や暖かい水に長時間浸かると、
「湯あたり」という状態になり、
不快感を覚えることがあります。
同様に、サウナでの90℃前後の高温環境に長く留まると、
体の温度が上昇し、「湯あたり」の症状を引き起こすことがあります。
我慢は注意!
サウナで過度に汗をかこうと耐えたり、
他人との持久力を競ったりすることは、
単なる湯あたりを越えて熱中症を引き起こすリスクがあります。
湯あたりの兆候としては、サウナ中に頭がぼんやりしたり、
心拍数の増加や心臓の鼓動が激しくなるなどの症状が見られます。
これらの症状が現れたら、
直ちにサウナから離れることが重要です。
立ちくらみを感じる
サウナ利用時、体が温まることで血管が広がり、
血圧が下がることがあります。
この状況下で、座ったり横になっていた姿勢から
急に立ち上がると、めまいを感じる可能性があります。
このような時は、ゆっくりと立ち上がる、
あるいは手すりを利用して支えながら立ち上がることが推奨されます。
血圧の上昇
サウナの後に冷水浴を行うと、冷たい刺激が血管を狭め、
その結果として血圧が急激に上昇します。
このため、高血圧の方は特に注意が必要です。
さらに、冷水の影響で交感神経が活性化し、
不整脈を引き起こしやすくなるため、
不整脈を持つ方も注意が必要です。
心臓に負担がかかる!
また、水風呂で首まで沈むと、
水の圧力が心臓に負荷を与えることになります。
心臓に問題がある方は、全身を水風呂に浸すのではなく、
腹部までを浸す半身浴を選択するか、
シャワーで体を冷やすほうが適切です。
飲酒後のサウナ浴は
アルコールを摂取した後のサウナ利用は、
非常にリスクが高い行動です。
人々がアルコールを飲んだ状態でマラソンをしないのと同じように、
飲酒後のサウナも避けるべきでしょう。
酔っていると、サウナでの不快感に気づきにくくなったり、
眠ってしまいがちで、結果的に長時間過ごしてしまい、
湯あたりを引き起こす可能性が高まります。
さらに、飲酒によってすでに拡張している血管と
低下した血圧の状態でサウナを利用すると、血管がさらに広がり、
血圧がさらに低下し、めまいやふらつきが発生しやすくなり、
転倒のリスクが増加します。
脳梗塞や心筋梗塞に!
サウナを利用してアルコールを体外に排出しようと
考える方もいるかもしれませんが、
アルコールの尿を促す効果により、
体内は既に脱水状態にあります。
サウナでの発汗がこの脱水をさらに悪化させ、
血液の粘度を高めて血栓形成のリスクを増加させます。
これは、脳梗塞や心筋梗塞の発生リスクを高めるため、
十分な注意が必要です。
「ととのう」とは?効果とメリット
サウナ利用時、温かさによって促される発汗、自律神経の調節、
そしてリラクゼーションは「ととのう」感覚を引き出します。
サウナの健康への利益は多数の研究で報告されており、
血管を広げて血流を良くする効果、汗をかくこと、
自律神経のバランスを整えること、免疫力を向上させること、
そして痛みを軽減することなどが挙げられます。
血管拡張と血行促進
サウナでの熱刺激は血管を広げ、血流を促進し、
全体的な血液循環を改善します。
この血流の増加により、
血管内皮細胞は摩擦力のような刺激を受け、
これが血管をさらに拡張させ、
動脈硬化の防止に役立つ「一酸化窒素」の放出を促します。
これは、血管の機能を向上させる効果があります。
健康な成人においては、
熱による血管の拡張と冷水浴による血管の収縮を交互に行うことで、
血管の機能が強化され、高血圧の予防や心血管系の疾患による
死亡リスクの低減が報告されています。
発汗による効果も!
サウナに入ると体温が高まり、
その結果として汗をかくことで体温調節を行います。
この過程で皮膚からは汗と共に不純物が除去され、
結果として皮膚が清潔かつなめらかな状態に保たれます。
さらに、発汗を通じて体内の老廃物が排出されることで
デトックス効果が得られ、新陳代謝の促進も見込まれます。
自律神経調節
熱の影響によって、
自律神経のバランスも整えられます。
これを車のメタファーで説明すると、
アクセルに相当する交感神経の働きを抑えつつ、
ブレーキに例えられる副交感神経を活性化させる、
という状態になります。
睡眠の質をあげる
運動による「ランナーズハイ」と同じように、
サウナでの血流の向上や発汗作用によって、
脳からβエンドルフィンという幸福感をもたらす
ホルモンが分泌され、爽快感や幸福感、
リラクゼーションの感覚が得られます。
これに加えて、自律神経のバランス調整や
リラックス効果が睡眠導入を容易にし、
睡眠の質の向上にも寄与します。
2〜3時間たってから
しかし、サウナ後直ぐの体温の上昇は、
逆に入眠を困難にすることがあります。
サウナ利用の2~3時間後、
体温が通常の状態に戻った時に就寝することが推奨されます。
免疫力を高める
サウナを利用することで免疫機能が向上し、
肺炎や風邪といった感染症の予防に効果があると
期待されています。
ただし、発熱や風邪の初期症状が見られる時には、
サウナが炎症や感染を悪化させる可能性があるため、
慎重になる必要があります。
痛みを和らげる
熱感覚と痛覚の受容体が互いに近い位置にあるため、
サウナで体を温めることで痛みが軽減されることがあります。
これは、腰痛や関節痛の緩和に効果があるとされています。
特に、活動期を過ぎた関節リウマチの患者さんにおいて、
関節の痛みを軽くするのに役立つと考えられています。
避けた方が良い!
しかし、発症初期で病状が活発な関節リウマチや、
赤みや腫れといった炎症を伴う痛みに対しては、
サウナが症状を悪化させる恐れがあるため、
サウナの使用は控えるべきです。
避けた方がいい人とオススメの人
上記で触れた通り、
サウナ利用は利点と欠点を持ち合わせています。
この点を考慮に入れ、
サウナを避けるべき人と推奨できる人の両方について解説します。
サウナに入らない方がいい人は!
心機能に問題がある心不全患者、高齢者、
そして妊娠している方は、高温のサウナや水風呂を用いた
交代浴を控えるべきです。
さらに、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞、脳出血を経験された方は、
これらの状態が再び起こるリスクがあるため、
サウナ使用前には医師に相談が必要です。
炎症症状がある人
活動期の関節リウマチなど、強い炎症を示す患者や、
急性肺炎、皮膚感染症、高熱などを伴う進行中の病気を持つ人は、
サウナ使用によって炎症や感染の症状が悪化する
リスクがあるため、慎重な判断が求められます。
高血圧の方
また、治療を受けずに高い血圧を維持している人は、
サウナを控えることをお勧めします。
高血圧症の方であっても、
血圧降下薬によって血圧が適切に管理されていれば、
サウナの利用は可能ですが、これらの薬を服用している場合は、
サウナ後に血圧が過度に低下する可能性があるため、
特に注意が必要です。
おすすめできる人
若年層や特定の健康問題を抱えていない人は、
高温のサウナと冷水浴を織り交ぜた入浴を安心して
楽しむことができます。
サウナは運動と似た効果を持ち、血流を良くし、心拍数を上げ、
汗を促進しますから、運動不足の方に特にお勧めです。
ストレスが溜まっている時や睡眠に問題を抱えている方にも、
サウナが良い影響を与える可能性があります。
しかし、健康で若いとしても、過度の疲労、睡眠不足、
体調不良の際は、サウナを控えることが賢明です。
正しいサウナの入り方
サウナを安心してお楽しみいただくためには、
適切なサウナの利用方法や、
「サ道」のエチケットについて知ることが大切です。
さらに、心不全の方や高齢者など、
通常のサウナが適さない方向けに、
低温でのサウナ利用法もご案内いたします。
サウナの基本的な入り方
始めに、サウナの基礎的な使用法を理解しておくこと。
- 体を洗う
- サウナに入る
- 冷水浴をする
- 休息を取る
これらはサウナを利用する際の標準的な手順です。
以下で、各ステップについてさらに詳細に説明します。
体を洗う!
サウナ利用前に体を洗うことは重要です。
この行為により、体が予熱され、熱への適応がスムーズになり、
また発汗を促進する効果があります。さらに、
これによってサウナ室の衛生状態も維持されます。
サウナ浴
サウナで過ごすべき時間は、
サウナの温度によって一律に定められるものではありませんが、
一般的には8分から10分程度が推奨されており、
この期間内で汗をかくのが適切とされています。
無理にサウナ内に長時間留まるべきではありません。
時間の調整も!
サウナ内では、床から天井に向かって上部の方が
温度が高くなる傾向があります。
また、同じ温度設定の場合、
乾式サウナよりもミストサウナの方が体温を上昇させやすいです。
体型によっても差があり、
肥満体よりも痩せ型の人の方が体温が上がりやすいです。
これらの違いを考慮して、
サウナでの滞在時間を適宜調整することが大切です。
水風呂
サウナを出た後、冷水浴に入る前には、
体に水をかけることが重要です。
直接冷水浴に入ると、交感神経が刺激され血管が急激に縮小し、
血圧が急上昇する可能性があります。
体に水をかけることで、この血圧の急激な上昇を抑えることができ、
さらに汗を洗い流し、冷水浴を清潔に保つ効果もあります。
冷水浴での過ごし方としては、1分から2分が適切とされていますが、
心臓への負担を懸念する場合は、シャワーを利用するのが良い選択です。
休憩をとる
冷水浴の後は、休憩エリアでしっかりと
体を休めることが重要です。
リクライニングチェアで横になり、5分から10分ほど休むことで、
血圧が安定し、さらにリラクゼーションの効果を得ることができます。
体調を考えて!
サウナ利用の基本構成は、
【 サウナ→冷水浴→休憩 】の一連の流れです。
これを1セットとし、体力に余裕がある場合は、
同じ流れを2~3回まで繰り返すことができます。
しかし、サウナでの過ごし時間を不必要に延長したり、
セットを無理に重ねたりすると、
脱水や湯疲れを引き起こすリスクがあります。
常に「過剰は不足と同じ」と心得て、自身の体調を見極め、
無理のない範囲で楽しむことが大切です。
飲水を心がけて
一度のサウナ利用で、
およそ500ccの汗をかくことがあります。
サウナを利用する前、利用している最中、
そして利用した後で、合計で約1リットルの
水分を摂取することが推奨されます。
サウナ内での水分補給が難しい場合は、
入浴前と入浴後の2回に分けて、
合計で1リットルの水を飲むようにしましょう。
アルコールは控えるようにする!
サウナ後のビールが格別に感じられますが、
アルコールには利尿効果があり、
それが脱水をさらに進めることになります。
そのため、アルコール以外の飲料で水分補給を
行うなどの対応が求められます。
脱水予防の為に
サウナをダイエットの手段として
利用する方もいらっしゃいますが、
サウナ使用直後に観測される体重の減少は主に
発汗による水分の喪失が原因です。
体重の減少に固執することなく、
脱水状態を避けるために十分な水分補給を心掛けることが重要です。
高齢者、心臓病、脳卒中を起こした人には低温サウナ
●慢性心不全
●閉塞(へいそく)性動脈硬化症
●慢性呼吸器疾患
●生活習慣病
●膠原(こうげん)病
●軽症うつ
●慢性疲労症候群
など
低温サウナ
上述の健康状態を持つ方々にとっては、
高温サウナよりも低温サウナがより安全に
使用できる可能性があります。
ただし、低温サウナを使う際には、
事前に必ず担当医と相談することが重要です。
コーヒーのダイエット効果は?
コーヒーにはダイエット効果と筋トレ効果が得られるパワーがあった!
まとめ
サウナの利用を正しく楽しむために
サウナの利点と可能なリスクをしっかり理解し、
ご自身の体力や健康状態に応じて、
適切な方法でサウナを楽しんでください。
「過度は不足に等しい」という考えを念頭に置き、
無理してサウナに長時間滞在することのないよう、
無理のない範囲での利用を心がけることが重要です。
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