最近、電子マネーを利用した「欠品・返金詐欺」が急増しています。ネットでの買い物が普及する中、この新手の詐欺に巻き込まれる人が増えているのです。
本記事では、その手口や被害事例、そして詐欺から身を守るためのポイントについて詳しく解説します。
欠品・返金詐欺とは?
「欠品・返金詐欺」とは、偽の通販サイトを通じて商品を購入した消費者に対し、商品が欠品しているとして返金を装い、お金を騙し取る手口です。
巧妙な手口とは?
具体的には、購入後に販売業者から「商品が欠品しているため返金処理を行う」と連絡があり、電子マネー決済アプリを使った返金手続きを指示されます。しかし、実際には返金ではなく、自分からお金を送金してしまう仕組みになっています。
この詐欺は非常に巧妙で、被害者にとっては実際に返金を受け取れると思わせるような連絡や手続きを取ってくるため、多くの人が騙されてしまいます。
特に、通販サイトを利用することが多い現代社会において、消費者はこのような詐欺に遭うリスクが高まっているのです。
被害が拡大する理由
この詐欺が広がっている背景には、いくつかの要因があります。
電子マネーの普及
スマートフォン決済アプリや電子マネーが一般化し、多くの人が日常的に利用しています。この利便性を悪用して、詐欺師は「電子マネーで返金する」と騙す手口を使うことが増えています。電子マネーを使った取引は素早く行えるため、詐欺師にとっても好都合な手段となっています。
巧妙な手口
詐欺サイトは実在する通販サイトや小規模な個人事業者を装っており、見分けるのが非常に難しくなっています。例えば、サイトのデザインや商品の掲載内容が本物の通販サイトとよく似ており、初めて利用する人には違いがわかりにくいのです。
また、連絡先やサポート情報も一見まともに見えるため、多くの消費者が信用してしまいます。
高額被害
このような詐欺に遭うと、一度の被害額が非常に高額になることが多いです。特に、返金手続きを装い、繰り返し操作を指示することで何度も送金させる手口が多く、結果として被害額が大きくなってしまいます。
実際の被害事例
最近の具体的な事例として、40代の女性がアイドルイベントのチケットを購入した後、返金処理を装った業者に騙され、約980万円を送金してしまったケースがあります。
指示通りに動いてしまう
この女性は、業者からの指示に従い、スマートフォン決済アプリで「認証コード」を入力するように求められ、その結果、大きな金額を失ってしまいました。
このケースでは、業者が非常に巧妙に消費者を信用させ、返金を装った操作を繰り返し指示することで、最終的に多額の送金を引き出しました。
特に、認証コードの入力やアプリでの確認作業を通じて、返金されると信じ込ませたことが被害を拡大させた原因です。
警察や機関からの警告
警視庁によると、2023年には138件の被害申告があり、総額約1億5千万円に達しています。被害者の年齢層は10代から70代まで幅広く、性別も問わず被害が拡大しています。また、国民生活センターも「○○ペイで返金します」と言われた場合には、詐欺を疑うよう警告しています。
特に銀行振込で支払ったにもかかわらず、返金手続きが電子マネーで行われると言われた場合は非常に不自然です。
このようなケースでは、すぐに操作を中止し、警察や消費者ホットラインに相談することが推奨されています。
詐欺サイトの特徴と見分け方
詐欺サイトにはいくつかの共通した特徴があります。
これらの特徴を把握しておくことで、詐欺サイトを見極めるのに役立ちます。
1. 市場価格より極端に安い商品を提供している
詐欺サイトは、市場価格よりも極端に安い価格で商品を提供し、消費者の興味を引こうとします。
安すぎる価格は詐欺の可能性が高いので、安易に飛びつかないようにしましょう。
2. 不自然な日本語表記がある
詐欺サイトでは、機械翻訳による不自然な日本語が使われていることが多いです。
例えば、「非常に良い製品は保証されます」など、意味がわかりにくい表現があれば、警戒するべきです。
3. 返品ルールや連絡先が不明瞭
正規の通販サイトであれば、返品ポリシーや連絡先が明確に記載されていますが、詐欺サイトではこれらの情報が曖昧であったり、記載がなかったりします。購入前に必ず確認しましょう。
4. 大手通販サイトではなく、小規模な個人事業者を装っている
詐欺サイトは、大手通販サイトのように見せかけていても、実際には小規模な個人事業者を装っています。このため、URLが不自然だったり、SSL証明書がない(httpsで始まらない)場合は注意が必要です。
詐欺から身を守るためのポイント
詐欺被害を防ぐためには、以下の点に注意しましょう。
1. 販売業者の情報を確認する
通販サイトを利用する際には、販売業者の情報をしっかり確認しましょう。連絡先や住所が明記されているか、不自然な点がないかをチェックすることが重要です。
住所が曖昧であったり、連絡先が携帯電話番号しかない場合は警戒するべきです。
2. 不審な連絡には応じない
「○○ペイで返金します」といった連絡は詐欺の可能性が高いです。
特に、購入者に対して何度も返金手続きを指示してくる場合は注意しましょう。不審に感じたら、その場で操作をやめましょう。
3. 公式アプリ以外は使用しない
指示されたアプリやリンクを安易にクリックすることは避けましょう。
公式のアプリや正規のリンク以外を使うと、個人情報を抜き取られる危険性があります。
4. 周囲に相談する
不審に感じたら、家族や友人、消費者センターに相談することが大切です。一人で判断すると冷静さを欠いてしまうことが多いため、他の人に相談することでリスクを減らせます。
もし被害に遭ってしまったら
万が一、詐欺に遭ってしまった場合は、速やかに以下の対応を取りましょう。
1. 警察に連絡する
最寄りの警察署やサイバー犯罪対策課に相談し、被害の詳細を伝えましょう。できるだけ早く通報することで、被害拡大を防ぐことができます。
2. 消費者ホットラインに相談する
消費者ホットライン(188)に相談することで、専門の相談員が対応してくれます。被害の状況に応じた適切なアドバイスを受けることができます。
3. 関連する金融機関に連絡する
詐欺で送金してしまった場合、関連する金融機関に連絡し、取引を止めることができるかどうかを確認しましょう。迅速な対応が求められます。
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新手の欠品・返金詐欺がネットで横行中!ネット買い物で注意すべきポイントとは
ネットでの買い物は便利ですが、その反面、詐欺のリスクも高まっています。特に「欠品・返金詐欺」は巧妙な手口で被害が拡大しているため、注意が必要です。
販売業者の情報をしっかり確認し、不審な連絡には応じないようにしましょう。また、不審に感じた際には、すぐに専門機関に相談することで被害を防ぐことができます。
被害に遭わないためにも、常に警戒心を持ち、慎重に行動することが大切です。
安全にネットショッピングを楽しむためには、自分の身は自分で守る意識を持つことが重要です。普段から情報を収集し、詐欺の手口について知識を深めることで、被害に遭うリスクを減らしましょう。
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